Vol.7 荒木典子/Noriko Araki(料理研究家)

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関西に生まれ育ち、四季折々の日本の家庭の味を大事にしている料理研究家・荒木典子さん。「なるべくシンプルに、作り込み過ぎない普通に美味しいごはん」を作り続ける彼女に、初挑戦のゼンミートやソイチーズを「おうちの和食」に生かすワザを教えてもらいました。

おばあちゃんに教えてもらった「おなかいっぱい」と和の調理器具

神戸に生まれた荒木典子さんは、その後、京都市伏見区、長岡京市と京都の文化圏で育ちました。彼女に影響を与えたのは兵庫県西宮市で青果の卸業をやっていた、おばあちゃん。

「大学時代、おばあちゃんと住んでいたのですが、食に対して豪快でした。子や孫たちにたくさんのごちそうを作ったり、たくさんケーキを買ってきたり(笑)。ローストビーフを焼いたり、しょっちゅう魚屋さんから鯛や蛸をもってきてもらっていました」

荒木さんがおばあちゃんから引き継いだのは、そんな食の原体験だけではなく、和の調理器具でした。

「無水鍋とせいろ。これは今でもよく使っています。無水鍋って本当に便利なんです。シチューをたくさん作ったり、せいろの下でお湯を沸かしたり。竹のざるも、よく使います。使い勝手だけではなくて、目にも優しいでしょう」。

「やりたいこと」を極めたら、料理にたどりついた

大学卒業後は普通に会社員になったものの、2年で退職。OL時代に、インテリアコーディネーターの資格も取得していました。その後、1年間、パリに留学し、帰国してインテリア雑貨の店に就職。

「食卓周りの雑貨が好きだったのですが、だんだん、料理そのものをちゃんと作れるようになりたいと思い始めました。祖母や母が料理好きだったことの影響があったのかもしれません」

料理教室へ行ってみたものの、生徒たちのモチベーションの低さにがっかりしたのだそう。

「それで、会社帰りに今度は夜間の調理師学校に入りました。1年半かな。これが今までの学校のなかで一番楽しかったのです」

その後、料理教室でバイトしつつ、料理本の編集のようなことを始めました。

「そういう経験が買われてか、世界文化社に中途入社することになりました。厳しい上司のもとで徹夜や終電帰りを3年ぐらいやって、私は編集よりも、料理のセッティングやコーディネートに向いていることに気づいたのです。それで思いきって退社し、フリーでスタイリストをしながら料理の仕事もするようになりました」。

家庭料理の一流を目指して

様々な料理を見てきた荒木さんですが、今、教えているのは日本の家庭料理です。

「誰もが手に入れにくい調味料は使わないし、作り込み過ぎない、華美な盛り付けもしない毎日食べられる料理を作りたいと思っています。分量もお教えしますが、最後の塩味はそれぞれの家庭の味でいいと思うのです。時短は好きじゃないけど、なるべくシンプルに。難しいことはしません。ただ、だしをちゃんととったり、水気をちゃんと絞ったりという、要所要所を大事にしてもらいたいですね」

今回、教えてもらったゼンミートの親子丼ふうのレシピも、ふわふわの卵と美味しいだしが決め手でした。

友達のために、何もない日のために用意したい

荒木さん自身はアレルギーがありませんが、ヴィーガンの友達や、アレルギーをもつ友達が来たときには、これまでとても苦心したそうです。

「ポリシーで食べない場合と、アレルギーの場合とありますよね。何と何がダメなのか、すごく難しく考えてしまって。蕎麦や小麦粉のアレルギーという人は結構いますが、隣の工場で使われていたりする例もありますし。前もってよく聞いておきたいものです。今回使ったゼンミートは、大豆と玄米でできているそうで、そういう人には最適ですよね」

一方で、普通になんでも食べる人にとっても、ゼンミートは常備しておくと便利だと、荒木さんは提案してくれました。

「ゼンミートは日持ちもするし、保存食として、どこの家庭にも置いておくといいものなんじゃないかと思いましたね。食べるものの買い置きが何もない、っていうときにすごく便利ですよ。これからいろんな需要が考えられると思います」

確かに、夜食などにも使い勝手が良いのです。

ゼンミートの味つけのコツ、ソイチーズの違った食べ方

ゼンミートやソイチーズの和食アレンジは、荒木さんにはいくつも考えられる様子です。

「ゼンミートは玄米と大豆でできているわけですから、和食にすごく合うと思いますよ。ミンチ・タイプを肉味噌にしたらまるでお肉のようでしょうし。味噌とはもちろん好相性だし、ナッティな味つけにも合うから、胡麻だれもいいでしょうね。パン粉の代わりに何を使うかだけれど、ゼンミートをカツにして、ソースかつ丼とかも美味しそう」

ソイチーズは、溶けるという利点をさらに活かせるとも。

「山芋をすりおろして、ソイチーズとご飯にかけて焼いたら、和風のドリアにもなりますね。今日は胡麻和えにしましたが、かつおぶしで和えてもいいと思います」。

ゼンミートやソイチーズを使えば、完全な精進料理にも新たな味わいが加わりそうです。

毎日のごはんをもっと大切に

荒木さんは、ごはんを土鍋で炊き、炊き上がるとすぐお櫃に移します。

「土鍋で炊くと炊飯器よりも早いし、お櫃に移すと、ごはんがふっくらするんです。余分な水分をお櫃が吸ってくれるから。最後に残ったごはんをお結びにしても、本当に美味しいんですよ。何よりちょっと気分も上がりませんか」

一人で食べるときも、お膳に載せて、季節感のある箸置きを使う。賄いを、わっぱに入れる。そういう毎日の積み重ねが何かを変えていくと、彼女は言います。

「季節感は大事ですよ。せっかく四季のある日本に生まれたのですから。大げさなことはしなくていいけれど、そういうプレゼンテーションはあったほうが素敵だと思います。毎日のことだからこそ、大切にしましょう」

頑張りすぎなくてもいいけれど、一回ずつのいつものごはんを大切にする。そんなごはんのなかにも、SEE THE SUNの食材は溶け込むのです。

インフォメーション

荒木典子料理教室のHPはこちら

http://arakinoriko.com/

3月に谷中に青果の販売とキッチンスペースをオープン

https://okatte.jp

荒木さんによる書籍はこちら

☆講談社『旬の和ごはん 12カ月』好評発売中☆
☆KADOKAWA『まいにちの和食』好評発売中☆

荒木さんによるレシピ紹介


取材・文:森 綾/撮影:ヒダキトモコ

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