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家庭的で誰が食べても美味しい味だけれど、見た目はカフェのようにおしゃれ。岡本珠子さんの料理教室は、そんな評判にたくさんの女性たちが集まってきます。
先日、TOKYO GIRL’S COLLECTIONで、ゼンミートとソイチーズを使ったケータリングが大好評でしたが、そこでのレシピも珠子さんによるものでした。
きっかけはママ友たちとのポットラックパーティー
料理教室を始めて6年。「教える側になるとは思ってもみなかった」と言う珠子さんが教室を始めたきっかけは、ママ友たちとのポットラックパーティーでした。
【参考】【おうちパーティにはコレ!】いま話題のポットラックって知ってる?(出典:cookpadニュース)
「娘が二人いて、よくママ友たちと手作りの料理を持ち寄る『ポットラックパーティー』を開いていたんです。それで私の料理が好評で『どうやって作るの』と聞かれることが多くなって『じゃあ、教えてよ』と言われたのがきっかけ。それで、身近な範囲でやっていたのですが、下の子が幼稚園に入ったのを機に、私も外で働きたいと思うようになりました」
「特に資格もなく、習ったこともない」珠子さんでしたが、たまたま、近所にカルチャースクールができると聞き「幼児向けのお弁当教室」の企画書を作って売り込みに。
「まだ『キャラ弁』が流行る少し前でしたが、そういうものの写真も添えて。記録として我が子のためにガラケーで撮っていた写真でした」
結果は見事に採用。そして実は、そこでもうひとつ、講座を引き受けることになってしまったのです。
30日。あわてて勉強し、教えるまでに
珠子さんは履歴書の趣味の欄に「ラテアート」と書いていました。それをカルチャーセンターの採用担当が目ざとく見つけたのです。
「『これも教えてみないか』と言われたのです。家庭用のマシンでできたらいいなと思ってはいましたが、本当はそれほどできなかった。
でもその場の勢いで『わかりました』と言ってしまい、そこから講座に通って勉強して、自分だったらこういうことを付け加えたいと書き留めたりして。
1ヶ月後にお弁当講座とラテアート講座をスタートさせました」
根性と度胸と集中力と。珠子さんが「これをやる」と決めたときのパワーにはすごいものがありそうです。
そしてその根本には、家族に料理をつくるときの愛情があります。
ちゃんと料理をつくると「大事にされている」気持ちが伝わる
美味しく、美しく料理をつくる。珠子さんはいつもそう心がけています。子どもが二人とも女の子だということも、彼女の料理に影響を与えているそう。
「女の子って、どっさり盛るよりも小さいポーションでたくさん並んでいたり、ひとつずつグラスに入れたり、色味もカラフルにしたほうが喜びますよね。人が集まったときはそんなふうに盛りつけます。普段は、ごちゃごちゃいろんなものをつくるより、単品でもきれいなものを喜びます。たとえば、ランチョンマットを敷いて、ナイフやフォークをちゃんとレストにセットするだけで、すごく大事にされている感じがすると言います」
彼女の娘さんたちは、その愛情をちゃんと受け取って、また伝えていくことでしょう。
「ゆっくり食事すると、味の感想も言ってくれます。雑な気持ちで出すと、反応も薄いし、お互いのコミュニケーションが雑になるんです。娘たちは将来的にずっと食事をつくっていくだろうから、そういうふうに食べてくれる人を大事に思う気持ちをもっていてほしいです」
ご飯は大盛りにせず、品のいい量を出して「お代わりあるからね」という言葉を添える。珠子さんの料理は、そんなふうに差し出し方にも愛情がこもっているのです。
流行ではなく、無理なく続けていける「体にいい食べもの」を
北海道に生まれ育った珠子さんは「スーパーフード」などという言葉は知らないまま、昔ながらの「体にいい食べもの」を食べてきました。
「母が『体にいい』と聞いたものをすぐ実践する人でしたので、コールドプレスジュースみたいなものも飲んでいたり、玄米や雑穀も取り入れたりしていました。
我が家のマイブームみたいなものですね(笑)。でも、それを家族が美味しいと思えるように無理なくアレンジしていっていました」
家族の気持ちが何より大切。それが珠子さんの料理の基本。
「スーパーフードもオーガニックの食材なども、それだけしかダメと思っちゃうとつらいし、続かない。旬や流行りを取り入れながら無理なく、というのがいいと思います。『体にいいもの』って、ちりもつもれば的に食べていけばいいんじゃないかな」
できるところから体にいいものを、美味しく、美しく。家族とともにある珠子さんの料理は、誰が食べても安心できる味なのです。
珠子さんによるレシピ紹介
撮影:斉藤 有美/取材、文:森 綾